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レザークラフト・フェニックス



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2009年02月05日

雑談:タンニン革ってなに?

 お客さんからのメールで
「商品として購入したタンニン革はすぐ飴色になったのに某社から購入した**や**(さすがに名前は出せません^^;)はいまいち焼けない。なんで?」

というもの。 
 では雑談としてタンニン革の話を
「飴色に焼きたいからタンニン革を」
「カービングしたいからヌメ革を」
「カービングしたいからタンローを」

 ここで言われている「タンニン革」「ヌメ革」「タンロー」は全て違います。

1 タンニン革
 タンニン革とはタンニンなめしをした革全体を指した言葉です。植物性のタンニンでなめされた革の特徴は「水に弱い」「日の光に弱い」です。
 「じゃぁ何もいいことないじゃん!」と思いますが、水に弱い=水を染み込み、強い衝撃を与えることでその形がくっきりと残ってしまいます。この性質を利用してカービングなどが行われます。

 07101206.JPG.JPG

 もうひとつの欠点、日の光に弱い=日焼けする、ということです。が、これにより「使っているうちに風合いが出てくる、飴色になる」ということがおきます。逆に言うなら「使っているうちに飴色にしたい、色を濃くしたい(茶が深い茶色に、赤が深い赤色に)!」という場合はタンニン革を使うしかありません。タンニン革には色もついたものなどもあります。当店のソフトヌメやバサラなどもタンニン革ですね。

2 ヌメ革
 ではヌメ革とは?
「社長、ヌメ革って私的には『分厚くてナチュラルでタンニン革』と思っていますけど違うの?」
「世間ではそういう捕らえ方もあるけど厳密には『後々に加工しやすいように完成2歩手前くらいでとどめたタンニン革』やな。染色会社さんがヌメ革かってそこに色入れたり、オイルいれたりするねん」
 もちろん後加工のための革といってもこのまま使えますし、使っている方も山ほどおられます。
ナチュラルのまま使う場合は自分でオイルを入れたりコーティングをしたほうがお勧めです。

「実際に見ていると色々な会社やお店が『ヌメ革!』といって販売していますが価格がバラバラ。なんで?」
「ヌメ革、というのは大きなくくりの言葉やねん。例えば『カルビーのポテトチップス』『エスビーのポテトチップス』とポテトチップスにも色々とある。ヌメ革、という言葉はポテトチップスと同じように大きなくくりの言葉やねんな。だから『A店舗のヌメ革』『B店舗のヌメ革』とあったらそれぞれは別。」
「あぁ、だから『あるお店で買ったヌメ革がよかったので別の店で安いヌメ革を買ったら悪かった』というケースがあるんですな」
「そやなぁ。その場合は同じ店でずっと買う方が正解。でも革も人間と同じように個体差があるので同じ店で買っていてもずっといいとは全然限らないぞ」

ニッピ ヌメ (栃木レザー製) - レザークラフトフェニックス

サンプルヌメ革 - レザークラフトフェニックス

 

3 タンロー
「番頭さん、うちのニッピさんのタンローってなんなの?」
「タンローってのは『タンニンなめしの革でローケツ染め用に開発されたタンニン革』やな」
「へ〜、感じ的にはニッピさんのヌメ革よりきれいな感じですね。どう違うの?」
「ヌメ革の中でもきれいなものを選別して、そこからさらに動物本来が持っているオイルを抜いている」
「なんで抜くの?」
「オイル抜くことでより水分が入りやすくなる。そうするとそれだけ刻印を打ったときにきれいに打刻されるし、染料などもきれいに入る」
 
カービングや染色をする際にはベストな選択肢となります。
ヌメ革などでもカービング染色はもちろん可能ですが「ヌメ革とタンローどっちがいいの?」と聞かれたら私たちはタンローと答えます。

 07093003.JPG.JPG


 タンローやヌメ革などは敏感なので蛍光灯の光にも焼けてしまうので当店では全て紙で包んでいますね。
 タンニン革であるバサラやソフトヌメなどももちろん日に焼けますが、当店では紙に包んでいません。バサラやソフトヌメなどはオイルや色を入れていることでヌメ革やタンローよりも光に強くなっています。無論使っているうちに焼けてはきますが、タンローヌメみたいに「蛍光灯の光でも焼けてしまう!」ということはありません。


早く焼きたい!というときは?

「じゃぁ社長、ナチュラルなヌメ革やタンローなどを早く焼きたいときはどうするんですか?」
「焼きはタンニン成分が反応して起こるものやな。早く焼きたいならオイルを入れた上で日に当てるのが一番。今の季節は日の光が弱いから焼けにくいで〜。
 もうちょっと注意点としてあげるなら紙で包んだら焼けない、ということでもない。酸素と結合して酸化して色が焼けることもある。」
「あぁ、それでタンニン革を何年も放置したものは焼けているんですね。オイルも抜けてぱさつきますねぇ」

 お客さんが買われた革がフルタンニンである以上上記方法で焼ける、はずです。ですが、革の世界というのは「100%確実です!」という言葉とは縁遠い世界です。同じ革でも前回仕上がり分と今回仕上がり分で色、つや、質、焼け具合なども異なります。いわんや、タンニン革に至ってはそのばらつきが激しい革です。ここらは実際買ってみないことにはさっぱりわからない世界ですね。

 「じゃぁタンニンってなに?クロームって?それで全部?」などはまた次回の講釈で
posted by フェニックス at 12:24| Comment(1) | TrackBack(0) | 革
この記事へのコメント
勉強になります!
次回の講釈楽しみにしてます!!
Posted by かわはし at 2009年02月05日 21:00
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