どうすごかったかというと、、
テキストや配布資料がものすごい

テキストが2冊。
1冊は日本皮革技術協会が今年の講習のために作ったテキストが1冊。
毎年作り直しているんだな、これ。。
もう1冊は全日本爬虫類皮革産業協同組合さんが作った爬虫類を学んでもらうテキスト。
フルカラー100ページ越え!
さらに皮革サンプルを貼った「革のサンプル」という資料。
これがすごかった


成牛、中牛、子牛革を並べ、さらに牛、馬、豚、山羊、羊の違いを知ってもらうために
そのサンプルを貼り付け、仕上げの違いを知ってもらうために素上げ、アニリン、顔料、エナメル仕上げのサンプル、ヌバック、スウェード、ベロア革のサンプルetcetc。
おいおい、これ金取るべきだろ!というレベルの品。
講義内容がみっしりとすごい
テキストの目次を見ると
1 特別講演 日本のタンナーと現状
2 革はどのようにして造られるのか
3 いろいろな革の種類
4 革の素晴らしさを体感
5 革特性から学ぶ革の取り扱い方
6 エキゾチックレザーの仕上げ方と取り扱い方との密接な関係と対策
1つ目の社団法人日本タンナーズ協会専務理事によるタンナーの現状話。
タンナーの苦しい現状とその原因を語られるが、人材不足などの話ではなく、国際状況(TQ制度、FTA、LDCetcetc)に関するもの。
ここ20年の原皮輸入量や靴輸入量グラフなども拝めて非常にわかりやすい。
2つ目3つ目はJLIAの作った教材用DVD「皮革の出来るまで」 | JLIA 社団法人 日本皮革産業連合会を見てから革の種類説明。
これまた非常に面白い。
牛、豚、山羊の違いを説明してくれるのだがテキストには電子顕微鏡で撮影した革の断面・表面写真が載っている。この断面写真で革を見るとこんなに違うのか、と勉強になる。
さらにはなめし方の種類・工程、革のタイプ=表面加工から仕上げ加工=塗装、着色、コートの説明まで教えてくれる。
4つ目革の素晴らしさを体感は実際に体感してもらおうと各種実験が設定されている。

もちろんこれが全部体感出来るほど人員も時間もないので主要なものだけ。
おどいたのは下記。
ベンズ(尻・胴体)、ショルダー(肩)、ベリー(腹)部分の細片が同封されており、
それぞれを実際に触ってみて違いを知ってください、というもの。

なんともまぁ準備に手間かかることを。。
ただこれだけ小さな細片ではちょいとわかりにくいかな、というのが実感。
フェニックスではこの違いを知ってもらうために実際に腹・背部分を引っ張ってもらっています。
細片ではなく1枚革のほうが違いはわかりやすいんですけど、100人規模の講習ではそれも
出来ないだろうしなぁ。
よくもまぁこれだけ準備に手間かかることをしているものだ、と違う意味で感心。
ここらあたりですでに持ち時間が終了。
テキストを見ると前回blogで書いたトラブル事例の説明などもありこれも面白い話だったろうに。。
もったいない。
5つ目 革特性
革の素晴らしさの解説、ということでコラーゲンや網状層の説明。
「またえらいコアな部分から解説しているなぁ」と思ったのだが、
事前に体験資料として下記のものがはいっていた。
吟付きベロア3mmを1,5mmに割り漉いたもの、かな?

これをベリっと引き裂いてみる。


素直に一直線に裂けているなら背中部分。
途中で裂け方向が横に逃げているなら腹や肩部分、という解説。
おぉ、こういう見分け方もあるんだな!と感心。
ここから更に革における力の向き、コラーゲンの特性、難燃性・耐熱性、年月による革の変性などになるのだが講義時間タイムアップ。あぁ、もったいない。。
最後は6つ目、エキゾチックレザーの仕上げ方と取り扱い方との密接な関係と対策、
ちょいと長くなってきたので次のblogで。