タンナーさんだけで革が良い・悪いを語るのも、〜〜国の革だから良い革だ、というのも歪さを感じてしまいます。
さらに言うなら何をもって良い・悪い、という話もあるわけで。
(ここらはしゃべりだすと敵をバンバカバ〜ン、と簡単に作るんだろうなぁ。。)
さて。
ここでいう「タンナーさんのもつ技術」である「鞣し」、ですがこれは個人でもできるものなのでしょうか?
歴史的に言うならばイヌイットの口噛み鞣しやら、古代日本で行われていた脳漿鞣し、アフリカでも行われているタンニン鞣し、煙燻鞣しやミョウバン鞣しなど様々にあるわけですが今現在、個人でもできるものなのでしょうか?
過去において「飼っていたペットが亡くなってしまった。つきましては供養のために骨は骨格標本を、皮は毛皮に鞣したいがどのようにすればいいのか?」というとんでもない質問が来ました。
悔しいことにその時は私の知識が足りなく助言が出来なかったのですがそれから数年かけて色々な資料やらネットやらを漁って参考資料の記録をとってきています。
で。
今後個人さんで鞣しをやりたい、という奇特な人のために鞣しを個人で行うための参考本を載せておきます。
●ジョン・シーモア著 「完全版自給自足の本」
小学生の頃読んだ本がまさか大人になってから再度読み返すとはなぁ。。
狩猟、屠蓄のやり方から鞣し方まで載っています。
鞣し方はわずか半ページしか載っていませんが、「鞣しまでやってみたい」という奇特な方なら他のページも十分価値があります。



●千松 信也 僕は漁師になった
猟師になった著者が屠蓄から革の鞣しまで行う。
この本がまた面白い!
猟師になるためには、から始まって猟師になるならこういう苦労がある、こういう家に住んだほうがいい、など読んでいて人に話したくなるようなネタがタクサン詰まっています。
フェニックスでも置いている本ですので興味ある方は店員に言ってください。
本棚最上段にこっそりと置いてあります。
今月末には文庫本になるようですが、写真が小さくなるのでこっちの単行本のほうがオススメ。
鞣しが不十分で生皮状態に。

ミョウバンなめしにチャレンジ

●民族学博物館の映像資料
以前紹介したものです。
民族学博物館で革の勉強をしてみようpart1 動画資料で皮なめしやらを見る: レザークラフト・フェニックス
映像資料を漁るとタンニン鞣しの風景が見ることが出来ます。
以下はwebから
●アチレア内の「タヌキの皮なめし」
ざっくざっくと解体写真が掲載されていますので苦手な方はオススメしません。
脳漿なめしに煙燻鞣しと盛りだくさん。
●2chまとめblog家の裏にたぬきが死んでたからバラして毛皮にしてみたよ : ヴィブロ
これまた解体写真満載。
鞣し、というものにたいする傍観者の意見が結構面白い
●姫路白なめし革 : オグララ工房雑記
鞣し関連(熊) : オグララ工房雑記
革なめし関連 : オグララ工房雑記
なめしに興味ある人はここのblogを読みあさってください。
●皮のなめし方を教えてください | その他(アウトドア)のQ&A【OKWave】
皮革技術研究所のドラムを借りてクロム鞣しをした、という証言がある。
なんとも珍しい体験をしている。
●おうちでできる!ラビットファーの作りかた。初めての皮なめし | ちはるの森
とりあえずはここらで。
個人的には屠蓄から鞣しまで全部やってみたいものです。
ps
前述した供養のために鞣しをしたい、という方に後日メール。
遅くなったけど本が見つかったんじゃが参考になるかな?
「あれから、大学の生物学教室と解剖学教室の協力もあり、
半分自己流ではありますが、明礬と食塩等でなめすことができました。
長い弔いの儀式になっておりますが、最後まで全力で頑張ろうと思います。」
色々な供養があるな、とちょっと泣いたよ(´Д⊂
文責:ムラキ
タグ:革の話をしてみよう