>バネホック用の打駒(ハンドプレス機用)は4種類あるようですが、
>NO1は何mm用で8050は何mm用か等、それぞれの適応サイズを
>教えて下さい。
>うりっこ手芸様 足跡バネホックに使用したいのですが・・・
>お手数で恐縮ですが、下のURLです。
>お返事頂き次第、打駒注文したいと思います。
>
>http://urikko.com/shopdetail/005000000008/order/
そこの会社さんのホックがどのようなものかわかりませんので実際に打てるかどうかは博打です。
当社に送ってもらったら検証しますよ、と返信したら送ってくださいました。
ついでに飾りカシメ・飾りホックの打ち方について紹介しましょう。

上の写真、アンティークゴールド色が持ち込みのホック、銀色が当社扱いのNO5ホック。
ホックには代表的な会社としてバネ部分に「crown」や「hashihato」と書いてある2社があります。
で、この2社のホックなら当店販売の駒でokなのですが今回のようにバネ裏部分になにも記載がない場合は中国製なり台湾製なりの海外製の可能性が高いです。
で、これらはどれだけ国産のホックに似ていても当社販売の駒や打棒が使えないケースが多々あります。
基本は「ホックを買った店で打棒や駒を買う」のがベスト、ということです。
ここらの話は下記blogで。
《金具》謎のジャンパードットホックがつけられない>>ホックボタンに関する驚く話: レザークラフト・フェニックス
が、問題は打棒は販売しているお店なりサイトにあっても駒はない場合がほとんどです。
それ以前に今回のように「頭部分が普通のホックよりも大きいor小さいもの」の場合は駒で打っても失敗しやすいです。
このblogではその失敗を少しでも下げるための工夫を書いていきます。
考え方を理解すると飾りカシメなどでも応用できる考えですので”やり方”だけではなく”考え方”を理解してくださいな。
さて検分検証。
当社販売のNO5ホック頭部分のパイプ経は3.02mm

他方お客様のホックはパイプ径 3.2mmです。

わずか0.2mmの違いですが実際にホック駒で打てるかどうかを試してみましょう。
ぎっちょんちょん、と

写真下部を見ればわかるようにダボ部分は問題なく取り付けられました。
では問題の頭部分は

このホック頭を、、、

うりゃっと!

きれいに、、、留められていません!
上の写真と見比べると一目瞭然。
ホックの頭を置く駒と実際の飾りホックの大きさが一致していないためこのように周辺部分に丸くドーナッツができています ウワァァァァァァヽ(`Д´)ノァァァァァァン!
で、こっからが今日の見せ場。

要は「ホックの駒に対して実際のホックの大きさがあっていないからこのようにドーナッツ跡が出来た」というわけです。
解法としては「それならなるべくホック頭に沿うような形に駒を加工する」のがいいわけです。
そこで上記写真のように革を1枚引いて段差をなくします。

さらにもう一枚重ねてあげてエッジ部分が当たりにくくしてあげます。


もう一回、ようしょっと!

さて、お立会い。
順番に
左上 革を2枚駒の中に重ねて1枚かぶせてtry 右上 革を1枚駒の中に重ねて1枚かぶせてtry
左下 ノーマルNO5ホック 右下 なにも工夫せずにtry
一目瞭然。左上の革を2枚重ねて1枚かぶせたものがbestです。

駒の中に入る革を2枚+さらに1枚座布団として革をかぶせてホックを装着。
これがオススメです。
「じゃぁどんな飾りホックもこれでいけるの?」
>実際のホックの形や座布団として使う革のハリや硬さ、大きさによっても異なります。
何度もtry&error!
「飾りカシメは?」
>考え方は同じです。
要は「打ちたいカシメ頭なりホック頭に沿った形にすることで力の逃げ道をなくして中心点に力が集まるように誘導してあげる」ということです。
「打棒だったらどないするの?」
>今回のように座布団を引くのも手ですし、下記blogのようにドーナッツを作って力の逃げ道をなくすのも手です。
アクリルカシメの打ち方の裏技を見つつカシメの打ち方をじっくり考えてみよう。厚い革も薄い革もどんとこい: レザークラフト・フェニックス
「このやり方めんどい〜。お金に糸目は付けないからなんとかして!」
>円形の飾りカシメやホックでしたら旋盤工にお願いしますので専用の駒も作れます。
1万円ほどは覚悟してね(-_-;)
ハンドプレスは偉大な道具だ、という話 フィオッキホック編: レザークラフト・フェニックス
ホックのサイズ・パイプ径などはこちらのblogを御覧くださいな。
バネホックについてまじめに解説してみよう。どの工具を使うか、どう打つか: レザークラフト・フェニックス
ネットショップ:
バネホック用打駒 - レザークラフトフェニックス
ハンドプレスは偉大な道具です!
今回の考え方を理解するとハンドプレスの応用性がグッと広がります。
是非お試しくださいな☆
文責:ムラキ