フェニックスの高嶋です。
「コードバンで名刺入れを作ってみた」第3弾。
一気に完成まで書きたいと思います!
コードバンで名刺入れを作ってみた。その1: レザークラフト・フェニックス
コードバンで名刺入れを作ってみた その2: レザークラフト・フェニックス

〜手縫い〜
菱目打ちで穴を開けていきます。
吟面は硬いですが、厚みがそんなに無いのでスムーズに開けていけます。
縫い始めると吟面が硬いのであまり糸が食い込んでいきません。
表面に乗っているような状態ですね。
縫う糸にもよりますが、麻糸を使う場合は糸が擦れやすいので、ずっと使っていくうちに擦り切れて
しまう可能性があります。
かといってグルーバーで溝を掘ってしまうと革の強度が落ちてしまうので、あまり良く無い・・・
なので、個人的には擦れに強いシニューやナイロン糸を使うのが良いと感じました。
革が何枚も重なっている箇所は針の抜けが悪く、少し力が要りました。
硬い革は厚みが出てくると途端に縫いにくくなりますね。
〜打刻印〜
活字ホルダーのピラネジイタリックのフォントで「Phoenix」と打ちました。
通常タンニンの革に打刻をする場合は、水で湿らせてから打ちますが、
コードバンは水に弱く、濡れた箇所が水ぶくれのような状態になってしまいます。
なので打刻をする場合は水で濡らさず、プレス機で押しました。
水ぶくれの感じが上手く撮れないので、ちょっと大げさに実験。
水滴を垂らしてみます。
実際にこんなことになってしまったら、大ショックですが・・・
色が変わり、少し膨らんでいます。
これはコードバンを仕上げる際に寝かしつけた繊維が、水でふやけて起き上がってきているからだそうです。
打刻の際に水をつけると刻印の周辺がガサガサになってしまうので要注意です!
〜曲げてみた〜
思い切り曲げてみましたが割れたりはしませんでした。
吟面硬いから割れたりしないかな?
なんて考えてましたが、そんな簡単に割れるなら製品になんて使えませんもんね・・・
気をつけないといけない点は幾つかありますが、
コバもよく詰まり磨きやすいですし、適度に柔軟性もあるので、
そんなに違和感無く使えると思います。
個人的には、コードバンはカチッとしたデザインの物を作るのが1番似合うと思います。
ビジネス用の小物っていう感じですね。
ただカチッとしたデザインだと少しのずれや、歪み、縫い目の乱れ等が気になってしまうので、
はじめにいい加減にしてしまうと、後になって取り返しがつかなくなってしまいます。
丁寧に仕立てると、それに応えてとても上品な高級感のある
1ランク上の製品が出来上がると思います。
まだ使ったことの無い方には是非試してみて下さい!
絶対に満足できますよ^^
(緊張しましたが・・)
コードバンは店頭で実際に見て触って頂けますので、気になった方はお気軽にスタッフに声をかけて下さい。
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